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独断専行と伝書鳩(1)~ワーテルローの戦いより~

伝書鳩
古今東西の軍組織に限らず、企業、官僚組織などあらゆる組織体において独断専行は重罪でした。

結果がよければ全てが許されるということになると、戦前の日本陸軍のようなことになり最終的な組織崩壊につながります。

一方で、待ち人人間の伝書鳩にならず、自分で率先して行動する人材たれ。というのも、現在の企業社会で求められる人材像です。

しかし、自分の判断で行動することと、独断専行の線引きは非常に曖昧であると私は思います。

ナポレオン戦争時、つまり通信手段を伝令将校に頼っていた時代、戦争前に各指揮官がナポレオンの下に集まり、作戦会議で決定した作戦計画に従って各軍団を動かしていきます。

しかし、戦争は生き物です。刻々と状況は変わります。2日前に立てた作戦の前提が変化しているのです。

ナポレオン戦争の初期、イタリア戦線では敵味方の総兵力は8万人、戦場の幅も40キロでした。

この規模の戦闘では1人の軍事的天才の能力によって勝敗が決します。

しかし、ナポレオン戦争後期、ライプツィヒの戦いではフランス軍50万、対する連合軍70万人、戦場の幅は300キロです。

こうした戦いではナポレオンが基本戦略を決め、各指揮官は刻々と変化する戦況に応じながら、ナポレオンから出された戦略目標を見失わずに、自己の判断で麾下の部隊を動かしていくことになります。

いちいち、細かいことを総司令部に聞いていては戦争にならないのです。聞いている暇もない。

大規模な戦争では1人の軍事的天才より、数多くの柔軟性に富んだ指揮官が必要になるのです。
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